当山は日蓮宗華藏山妙宣寺と称し、1417年建立。円教大姉華蔵姫を開基とし、東光院日顯上人を開山と仰ぎます。
時は南北朝の終わり頃、後醍醐天皇の皇子、護良親王の没後上総へ逃れた護良親王のご息女である華蔵姫が當地家之子にて落飾、星莖尼(せいけいに)と号されました。
星莖尼は護良親王の菩提を弔うために開基となり、妙宣寺の前身、禅宗尼寺として華蔵山海岸寺を創建されました。
当山に勧請する仁王尊は護良親王の守護神であったといわれ、華蔵姫も厚く信仰され、以来今日まで善男善女の信仰を集め霊験あらたかに幾多の利生物語が伝えられております。
家之子妙宣寺には大絵馬が二点(「源頼政 鵺退治図」と「平忠盛と油法師図」)ある。
両図とも縦126㎝×横165㎝で作者や奉納者は不明ではあるが、典型的な武者絵図である。
市指定文化財の(平忠盛と油法師図)は、平安末期の京都祇園社での出来事を画題としたものである。
白川法皇の信頼厚く、近侍として仕えた平忠盛が、夕闇迫る雨の中、麦藁を束ねて笠の代わりにかぶり、油壷と松明を携え境内の灯篭に油を注いでいた老法師(坊主)を、鬼と間違えて捕らえる場面を描いたものである。
東金市教育委員会指定第32号 昭和63年6月23日
境内周辺には華蔵姫ゆかりの地が多く、城下谷(ねごや)、御所下(ごしょした)、御手洗(みたらし)、鎌倉道(かまくらみち)、お華道(おはなみち)等あり国道より当山に至る道程は直角に曲折した所が多く、城下町路地を思わせる。